小説・パートから経営者
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第1章 20代女性の憂鬱
第1節 第2節 第3節 第4節
第5節 第6節 第7節 第8節
第2節
将来は、大丈夫なの
 
「これも報道で知ったのですが・・・。
少子化が加速しているようです。国の推計よりも6年も早く達していると伝えています。
2021年の出生者数は、811,604人で、前年より3.5%減ったようです。それで、私が心配しているのは、老後です。
ちなみに、2025年の出生者数は、671,236人でした。
今、年金をもらっている70才代の人が生まれたころは、年間の出生者数は、200万人を超えていたようです。
平均寿命が伸びている昨今、年金が破綻するのは目に見えています。
実際には、すでに破綻していて、税金から補充し、保険料の値上げも言われています。なのに、政治家や公務員の税金の無駄使いの話が、何度も、何度も、耳を突き刺してきます。
だからと言って、自分たちの将来のために、経済的に余力がない若者世帯に子供を産めというのは、都合が良すぎるような気がします。
牛丼チェーンの役員の話のように、政府もマーケティングの失敗ですよね!あまりにも計画性が無くて、若者に対しての効果的な施策が無くて・・・。」

「そうね!」

「実は、私、沖縄に旅行に行きたくて、お金を貯めていました。
ですが、いまだに沖縄旅行が実現できていません。
沖縄に興味があって、そうしていると、沖縄の情報がいろいろ入ってきます。
出生者数のときも、沖縄のデータが気になっていました。
政府の希望出生率が1.80ですが、2021年の全国平均の出生率は1.30です。これでは、人口減少は、完璧に今後も続きます。
ところが、沖縄って、凄いですよ!都道府県別の出生率は、沖縄がトップで1.80、次に鹿児島で1.65、出生率の最低は、東京の1.08、次いで宮城県の1.15です。
都道府県の最低賃金が、継続的に最低の沖縄県が、出生率がトップなんて、驚いてしまいます。
さらに、2025年、都道府県別の出生率は、沖縄がトップで1.52、次が宮崎県の1.46、出生率の最低は、東京の0.96、北海道と宮城県が1.00です。
国立社会保障・人口問題研究所が、2023年に公表した将来推計人口で、出生数が67万人台になるのは、2040年とされていたようです。」

「そうなのね!」

「また、沖縄県は、女性社長の比率が日本一らしいのです。
新聞の記事のタイトルには、『生活のため、起業する沖縄女性』と書いてありました。帝国データバンクの調査らしいのですが、2021年の女性社長の全国平均は8.1%で、沖縄県は11.4%で、トップです。」

「へーっ!知らなかったわ!」

「ふと思ったのですが、私たちのようなパート勤めの女性が活躍できる場所や機会が、沖縄にはありそうなのです。
人間は、窮地に追い込まれると、考えますよね!そして、普段では考えられないような力を発揮します。
沖縄は、基地の問題とか、本土との格差とか、いろいろ言われています。
観光客が、毎年増えて、観光客誘致も成功しているように見えます。しかし、利益がどこかに持っていかれて、沖縄県民の時給は、最低なのです。
頑張っているのに、報われないのです。だから、『経営者になってしまえ!』と言うことのようです。」

「面白いわね!」

「沖縄観光で、お金の流れを考えてみました。
沖縄にある大きなホテルや観光施設の多くは、県外や国外に本社があります。
そして、沖縄県にある大型ホテルは、近代的で、多くが有名なブランドのホテルです。
県内の出資によるホテルは、比較的小規模で旧式、旅行会社のプランに組んでいただけません。
結局、地元資本のホテルは、経済的に余裕がない若者や外国人の若者相手にに安価で利用していただくことになります。いわゆるホテル格差です。
経済的に余裕がある観光客の多くは、近代的で、有名なブランドのホテルを利用しています。
一方、沖縄資本のホテルは、より安価で誘客する必要があります。」

「そうなのね!」

「安価な沖縄資本のホテルを利用するのは、多くが経済的に余裕がない若者です。
ですが、その若者が、最近では、沖縄旅行を敬遠しているのです。
問題は、移動手段にありました。
沖縄には、鉄道がありません。モノレールはありますが、空港から市街地までの短い距離です。
路線バスがありますが、観光客は、あまり利用しません。便数が少なく不便だからです。もちろん、タクシーなどは、若者の収入では、とても利用できません。
それで、沖縄での観光客の移動手段の中心は、レンタカーになります。
でも、レンタカーを利用するためには、運転免許証が必要です。」

「そうですよね!」

「今、都会では、若者は、自家用車を保有できません!駐車料金が高く、維持費を賄えないからです。
一方、都会は鉄道網が発達しています。そして数分ごとに電車が走っています。東京では、数分どころか、2分ごとに走っています。
それで、若者には、運転免許証は必要無いのです。
運転免許証を持っていない若者にとっては、沖縄旅行は、とても不便です。それで、若者が沖縄を敬遠する理由の一つになっています。同時に、若者をターゲットにした沖縄資本のホテルの利用も減ることになります。
沖縄本島の中心部、いわゆる那覇市内や周辺には、ビジネスホテルなどがあります。
私の友だちは、那覇市内の古いビジネスホテルに泊まって、国際通りを行ったり、来たりの沖縄旅行だったようです。
『美ら海水族館』だけは、オプションで無理をして行ったようですが、そのほかのリゾート地や観光地には行けなかったそうです。やはり、問題は移動手段です。
経済的に余裕があり、運転免許証を持っていれば、リゾート地のホテルに泊まって、レンタカーで各地を回りたかったと、嘆いていました。」

「そうなのね!」

「それで、経済的に豊かでない私たちは、沖縄に、自由に旅行に行くことはできません。何しろ、現状では、働く時間を制限されているのですから・・・。
そして、稼がせてくれないのですから・・・。
とは言っても、今では、私自身、パート勤めになったことは、特に後悔はしていません。」
結婚について
 
「結婚と仕事の二者択一を迫られている私ですが、今は、どちらかの一つを選択することはできません。
私は、正直言って、現在、仕事を選択するほどの力量があるとは思っていません。今の自分を見れば明らかです。
企業社会から、必要のない人間としての烙印を押されてしまっているようなのです。
でも、このままで終わりたくないと思っています。
それで、少しの間、パート勤めで食い繋いで、自分の人生を考えてみたいと思います。」

「そうなのね!」

「今のところ、結婚は、考えていません。
余裕がないのに結婚を選択すれば、自分の意志を殺して生きることになると思うからです。
今の私には、お金を稼ぐ能力はありません。結局、夫の稼ぎを頼りに生きることになります。夫の稼ぎを頼りにすれば、当然、自分の意志は、自分で抑えることになります。
私は、自分の意思を抑えて、誤魔化して生きたいとは思いません。
明るく楽しい家族の生活を夢見ていますが、当面、お預けです。」

「そうなんだ!」

「今まで、何も考えずに、流れに乗って、惰性で生きてきたことが良くなかったのかもしれません。
でも、一つの救いは、今考えてみると、正社員のルートから外れて、パート勤めをしたことで、自分の今や将来を考える機会ができたと思っています。
それで、パート勤めをして、時間的に余裕があることを活かして、自分のこの先を考えてみたいと思います。
そして、やはり経済的な自立ですね!どのように自立できるか、具体的にはこれからですが、パートのレベルで物事を考えたいとは思っていません。」
  
 
 
 
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